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テサロニケの信徒への手紙一の修辞構造

各ペリコーペの集中構造(コンチェントリック)と交差配列(キアスムス)と並行法(パラレル)

[1]主に倣う者  (1 Thess 1:1-10)
 
  A(1:1-3)  あなたがたが信仰によって働き、愛のために労苦し(1:3)   (πίστεως)
    B(1:4-5)    ただ言葉だけによらず、力と、聖霊と、強い確信とによったからです(1:5)   (λόγῳ, πνεύματι)
    B'(1:6-7)    あなたがたはひどい苦しみの中で、聖霊による喜びをもって御言葉を受け入れ(1:6)   (λόγον, πνεύματος)
  A'(1:8-10)  神に対するあなたがたの信仰が至るところで伝えられているので、何も付け加えて言う必要はないほどです(1:8)   (πίστις)
 
   A:信仰 B:言葉と聖霊

[2]テサロニケでのパウロの宣教  (1 Thess 2:1-16)
 
  A(2:1-2)  わたしたちは以前フィリピで苦しめられ、辱められたけれども、わたしたちの神に勇気づけられ、激しい苦闘の中であなたがたに神の福音を語ったのでした(2:2)
    B(2:3-6)    人に喜ばれるためではなく、神に喜んでいただくためです(2:4)
      C(2:7-8)      ちょうど母親がその子供を大事に育てるように(2:7)   (τέκνα)
        D(2:9-10)        神の福音をあなたがたに宣べ伝えたのでした(2:10)
      C'(2:11-12)      父親がその子供に対するように(2:11)   (τέκνα)
    B'(2:13)    このようなわけで、わたしたちは絶えず神に感謝しています(2:13)
  A'(2:14-16)  ユダヤ人たちは、主イエスと預言者たちを殺したばかりでなく、わたしたちをも激しく迫害し(2:15)
 
   A:迫害 B:神のために C:親と子 D:福音宣教

[3]テサロニケ再訪の願い  (1 Thess 2:17-3:13)
 
  A(2:17-18)  だから、そちらへ行こうと思いました(2:18)
    B(2:19-20)    実に、あなたがたこそ、わたしたちの誉れであり、喜びなのです(2:20)   (ξαρά)
      C(3:1-4)      このような苦難に遭っていても、だれ一人動揺することのないようにするためでした(3:3)   (θλίψεσιν)
        D(3:5-6)        あなたがたの信仰と愛について、うれしい知らせを伝えてくれました(3:6)
      C'(3:7-8)      それで、兄弟たち、わたしたちは、あらゆる困難と苦難に直面しながらも、あなたがたの信仰によって励まされました(3:7)   (θλίψει)
    B'(3:9-10)    わたしたちは、神の御前で、あなたがたのことで喜びにあふれています(3:9)   (ξαρᾷ)
  A'(3:11-13)  わたしたちにそちらへ行く道を開いてくださいますように(3:11)
 
   A:訪問の希望 B:喜び C:苦難 D:信仰と愛

[4]神に喜ばれる生活  (1 Thess 4:1-12)
 
  A(4:1-2)  わたしたちは更に願い、また勧めます(4:1)   (παρακαλοῦμεν)
    B(4:3-6)    神の御心は、あなたがたが聖なる者となることです(4:3)   (ἁγιασμὸς)
    B'(4:7-8)    神がわたしたちを招かれたのは、汚れた生き方ではなく、聖なる生活をさせるためです(4:7)   (ἁγιασμ)
  A'(4:9-12)  兄弟たち、なおいっそう励むように勧めます(4:10)   (παρακαλοῦμεν)
 
   A:勧め B:聖なる

[5]死者の復活  (1 Thess 4:13-18)
 
P(4:13)希望を持たないほかの人々のように嘆き悲しまないために、ぜひ次のことを知っておいてほしい(4:13)
  A(4:14)  イエスを信じて眠りについた人たちをも、イエスと一緒に導き出してくださいます(4:14)
    B(4:15)    主が来られる日まで生き残るわたしたち(4:15)   (περιλειπόμενοι)
  A'(4:16)  キリストに結ばれて死んだ人たちが、まず最初に復活し(4:16)
    B'(4:17)    わたしたち生き残っている者が(4:17)   (περιλειπόμενοι)
P'(4:18)今述べた言葉によって励まし合いなさい(4:18)
 
   A:復活 B:私達生き残る者

[6]主は来られる  (1 Thess 5:1-11)
 
  A(5:1-3)  盗人が夜やって来るように、主の日は来る(5:2)   (νυκτὶ)
    B(5:4-5)    主の日が、盗人のように突然あなたがたを襲うことはないのです(5:4)
      C(5:6)      ほかの人々のように眠っていないで、目を覚まし、身を慎んでいましょう(5:6)   (γρηγορῶμεν)
  A'(5:7-8)  眠る者は夜眠り、酒に酔う者は夜酔います(5:7)   (νυκτὸς)
    B'(5:9)    神は、わたしたちを怒りに定められたのではなく(5:9)
      C'(5:10-11)      わたしたちが、目覚めていても眠っていても、主と共に生きるようになるためです(5:10)   (γρηγορῶμεν)
 
   A:夜 B:怒りに定められていない C:目覚める、眠る

[7]結びの言葉  (1 Thess 5:12-28)
 
  A(5:12-13)  互いに平和に過ごしなさい(5:13)   (εἰρηνεύτε)
    B(5:14-15)    だれも、悪をもって悪に報いることのないように気をつけなさい(5:15)   (κακὸν)
      C(5:16-18)      喜び、祈り、感謝
    B'(5:19-22)    あらゆる悪いものから遠ざかりなさい(5:22)   (πονηροῦ)
  A'(5:23-24)  平和の神御自身が、あなたがたを全く聖なる者としてくださいますように(5:23)   (εἰρήνης)
P(5:25-28)わたしたちの主イエス・キリストの恵みが、あなたがたと共にあるように(5:28)
 
   A:平和 B:悪を避ける C:喜び、祈り、感謝


聖書の引用は「新共同訳聖書」より