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テモテへの手紙二の修辞構造

各ペリコーペの集中構造(コンチェントリック)と交差配列(キアスムス)と並行法(パラレル)

[1]ゆだねられているものを守る  (2 Tim 1:1-18)
 
  A(1:1-2)  主キリスト・イエスからの恵み、憐れみ、そして平和があるように(1:2)   (ἔλεος)
    B(1:3-5)    その信仰は、まずあなたの祖母ロイスと母エウニケに宿りました(1:5)
      C(1:6-7)      力と愛と思慮分別の霊(1:7)   (πνεῦμα)
        D(1:8)        わたしたちの主を証しすることも、わたしが主の囚人であることも恥じてはなりません(1:8)   (ἐπαισξυνθῇς)
          E(1:9a)          神がわたしたちを救い、聖なる招きによって呼び出してくださった(1:9)
            F(1:9b-10)            キリストは死を滅ぼし、福音を通して不滅の命を現してくださいました(1:10)
          E'(1:11)          この福音のために、わたしは宣教者、使徒、教師に任命されました(1:11)
        D'(1:12)        わたしはこのように苦しみを受けているのですが、それを恥じていません(1:12)   (ἐπαισξύνομαι)
      C'(1:13-14)      わたしたちの内に住まわれる聖霊(1:14)   (πνεύματος)
    B'(1:15-17)    主がオネシフォロの家族を憐れんでくださいますように(1:16)
  A'(1:18)  主がかの日に、主のもとで彼に憐れみを授けてくださいますように(1:18)   (ἔλεος)
 
   A:主の憐れみ B:家族 C:霊 D:苦しみを恥じない E:神の招き F:与えられた恵み

[2]キリスト・イエスの兵士として  (2 Tim 2:1-7)
 
  A(2:1-2)  そして、多くの証人の面前でわたしから聞いたこと(2:2)
    B(2:3)    キリスト・イエスの立派な兵士として、わたしと共に苦しみを忍びなさい(2:3)   (συγκακοπάθησον)
      C(2:4-5)      競技に参加する者は、規則に従って競技をしないならば、栄冠を受けることができません(2:5)
    B'(2:6)    労苦している農夫こそ、最初に収穫の分け前にあずかるべきです(2:6)   (κοπιῶντα)
  A'(2:7)  わたしの言うことをよく考えてみなさい(2:7)
 
   A:パウロの言葉 B:苦しみに耐える C:栄冠

[3]キリストと共に生きる  (2 Tim 2:8-14)
 
  A'(2:8-9)  イエス・キリストのことを思い起こしなさい(2:8)   (μνημόνευε)
    B(2:10)    彼らもキリスト・イエスによる救いを永遠の栄光と共に得るためです(2:10)
    B'(2:11-13)    わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きるようになる(2:11)
  A'(2:14)  これらのことを人々に思い起こさせ(2:14)   (ὑπομίμνῃσκε)
 
   A:思い起こす B:キリストと共に

[4]聖なるものとなる  (2 Tim 2:15-26)
 
  A(2:15-19)  彼らは真理の道を踏み外し、復活はもう起こったと言って、ある人々の信仰を覆しています(2:18)   (ἀλήθειαν)
    B(2:20-21)    諸悪から自分を清める人は、貴いことに用いられる器になり(2:21)
  A'(2:22-26)  神は彼らを悔い改めさせ、真理を認識させてくださるかもしれないのです(2:25)   (ἀληθείας)
 
   A:真理 B:諸悪から自分を清める人

[5]終わりの時の人々の有様  (2 Tim 3:1-11)
 
  A(3:1)  終わりの時には困難な時期が来る(3:1)
    B(3:2-5)    信心を装いながら、その実、信心の力を否定するようになります(3:5)
      C(3:6-7)      決して真理の認識に達することができません(3:7)
    B'(3:8-9)    ヤンネとヤンブレがモーセに逆らったように、彼らも真理に逆らっています(3:8)
  A'(3:10-11)  わたしにふりかかったような迫害と苦難をもいといませんでした(3:11)
 
   A:苦難 B:反対者 C:真理に達しない

[6]最後の勧め  (2 Tim 3:12-4:8)
 
  A(3:12-13)  キリスト・イエスに結ばれて信心深く生きようとする人は皆、迫害を受けます(3:12)
    B(3:14-15)    だがあなたは、自分が学んで確信したことから離れてはなりません(3:14)
      C(3:16-17)      人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です(3:16)   (διδασκαλίαν)
      C'(4:1-2)      とがめ、戒め、励ましなさい。忍耐強く、十分に教えるのです。(4:2)   (διδαξῇ)
    B'(4:3-5)    真理から耳を背け、作り話の方にそれて行くようになります(4:4)
  A'(4:6-8)  わたし自身は、既にいけにえとして献げられています(4:6)
 
   A:迫害 B:真理から離れる C:戒め

[7]個人的な指示  (2 Tim 4:9-22)
 
  A(4:9-13)  ルカだけがわたしのところにいます。マルコを連れて来てください。彼はわたしの務めをよく助けてくれるからです(4:11)
    B(4:14-16)    銅細工人アレクサンドロがわたしをひどく苦しめました(4:14)
    B'(4:17-18)    主はわたしをすべての悪い業から助け出し(4:18)
  A'(4:19-22)  プリスカとアキラに、そしてオネシフォロの家の人々によろしく伝えてください(4:19)
 
   A:伝言 B:迫害と救い


聖書の引用は「新共同訳聖書」より