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テトスへの手紙の修辞構造

各ペリコーペの集中構造(コンチェントリック)と交差配列(キアスムス)と並行法(パラレル)

[1]挨拶  (Titus 1:1-4)
 
  A(1:1)  イエス・キリストの使徒パウロから(1:1)
    B(1:2)    偽ることのない神は、永遠の昔にこの命を約束してくださいました(1:2)   (ξρόνων)
    B'(1:3)    神は、定められた時に、宣教を通して御言葉を明らかにされました(1:3)   (καιροῖς)
  A'(1:4)  父である神とわたしたちの救い主キリスト・イエス(1:4)
 
   A:イエス・キリスト B:時

[2]クレタでのテトスの仕事  (Titus 1:5-2:1)
 
  A(1:5-9)  健全な教えに従って勧めたり、反対者の主張を論破したりすることもできないでしょう(1:9)   (ὑγιαινούσῃ)
    B(1:10)    実は、不従順な者、無益な話をする者、人を惑わす者が多いのです(1:10)
      C(1:11)      その者たちを沈黙させねばなりません(1:11)
    B'(1:12-14)    ユダヤ人の作り話や、真理に背を向けている者の掟に心を奪われないようにさせなさい(1:14)
  A'(1:15-2:1)  あなたは、健全な教えに適うことを語りなさい(2:1)   (ὑγιαινούσῃ)
 
   A:健全な教え B:間違った教え C:沈黙させる

[3]健全な教え  (Titus 2:2-10)
 
  A1(2:2)  年老いた男には、節制し、品位を保ち(2:2)
  A2(2:3-5)  年老いた女には、聖なる務めを果たす者にふさわしくふるまい(2:3)
  A3(2:6-8)  万事につけ若い男には、思慮深くふるまうように勧めなさい(2:6)
  A4(2:9-10)  奴隷には、あらゆる点で自分の主人に服従して、喜ばれるようにし(2:9)
 
   A:様々な人への勧め

[4]善い行いの勧め  (Titus 2:11-3:11)
 
  A(2:11-13)  すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました(2:11)   (ἐπεφάνη)
    B(2:14)    キリストがわたしたちのために御自身を献げられた(2:14)
      C(2:15)      十分な権威をもってこれらのことを語り、勧め、戒めなさい(2:15)
        D(3:1-3)        だれをもそしらず、争いを好まず、寛容で、すべての人に心から優しく接しなければならない(3:2)
  A'(3:4-6)  わたしたちの救い主である神の慈しみと、人間に対する愛とが現れた(3:4)   (ἐπεφάνη)
    B'(3:7)    わたしたちは、キリストの恵みによって義とされ(3:7)
      C'(3:8)      あなたがこれらのことを力強く主張するように、わたしは望みます(3:8)
        D(3:9-11)        分裂を引き起こす人には一、二度訓戒し、従わなければ、かかわりを持たないようにしなさい(3:10)
 
   A:救いの現れ B:キリストの救い C:勧め D:争いを避ける

[5]結びの言葉  (Titus 3:12-15)
 
  A(3:12-13)  アルテマスかティキコをあなたのもとへ遣わしたら、急いで、ニコポリスにいるわたしのところへ来てください(3:12)
    B(3:14)    わたしたちの仲間も、実際に必要な物を賄うために、良い行いに励むことを学ばねばなりません(3:14)
  A'(3:15)  わたしと一緒にいる者たちが皆、あなたによろしくと言っています(3:15)
 
   A:伝言 B:善を行う


聖書の引用は「新共同訳聖書」より