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ペトロの手紙一の修辞構造

各ペリコーペの集中構造(コンチェントリック)と交差配列(キアスムス)と並行法(パラレル)

[1]挨拶  (1 Pet 1:1-12)
 
  A(1:1-4)  あらかじめ立てられた御計画(1:2)   (πρόγνωσιν)
    B(1:5)    救いを受けるために、神の力により、信仰によって守られています(1:5)   (σωτηρίαν)
      C(1:6-7)      信仰は、その試練によって本物と証明され(1:7)
    B'(1:8-9)    それは、あなたがたが信仰の実りとして魂の救いを受けているからです(1:9)   (σωτηρίαν)
  A'(1:10-12)  あらかじめ語った預言者たち(1:10)   (προφητεύσαντες)
 
   A:あらかじめ知る B:信仰と救い C:信仰の試練

[2]聖なる生活をしよう  (1 Pet 1:13-2:10)
 
  A1(1:13-15)  勧め
    B2(1:16-21)    聖書の引用と解説
  A2(1:22)  勧め
    B2(1:23-25)    聖書の引用と解説
  A3(2:1-2)  勧め
    B4(2:3-10)    聖書の引用と解説
 
   A:勧め B:聖書の引用と解説

[3]奴隷と夫妻  (1 Pet 2:11-3:7)
 
P(2:11-17)愛する人たち、あなたがたに勧めます(2:11)
  A1(2:18-25)  召し使いたち
  A2(3:1-6)  妻たち
  A3(3:7)  夫たち
 
   A:様々な人々への勧め

[4]兄弟愛  (1 Pet 3:8-17)
 
  A(3:8-9)  皆心を一つに、同情し合い、兄弟を愛し、憐れみ深く、謙虚になりなさい(3:8)
    B(3:10-12)    詩編の引用
  A'(3:13-17)  善いことに熱心であるなら、だれがあなたがたに害を加えるでしょう(3:13)
 
   A:善を行う B:詩編の引用

[5]キリストの高挙  (1 Pet 3:18-4:6)
 
  A(3:18-19)  キリストも、罪のためにただ一度苦しまれました(3:18)   (ἔπαθεν)
    B(3:20)    この霊たちは、ノアの時代に箱舟が作られていた間、神が忍耐して待っておられたのに従わなかった者です(3:20)
      C(3:21-22)      イエス・キリストの復活によってあなたがたをも救う(3:21)
  A'(4:1-2)  キリストは肉に苦しみをお受けになった(4:1)   (παθόντος)
    B'(4:3-4)    かつてあなたがたは、異邦人が好むようなことを行い、好色、情欲、泥酔、酒宴、暴飲、律法で禁じられている偶像礼拝などにふけっていたのですが、もうそれで十分です(4:3)
      C'(4:5-6)      神との関係で、霊において生きるようになる(4:6)
 
   A:キリストの苦しみ B:罪人 C:復活

[6]欲望を避ける  (1 Pet 4:7-11)
 
  A(4:7)  万物の終わりが迫っています(4:7)
    B(4:8-10)    勧め
  A'(4:11)  栄光と力とが、世々限りなく神にありますように(4:11)
 
   A:終わりと永遠 B:勧め

[7]長老と若者  (1 Pet 4:12-5:7)
 
P(4:12-19)愛する人たち、あなたがたを試みるために身にふりかかる火のような試練を、何か思いがけないことが生じたかのように、驚き怪しんではなりません(4:12)
  A(5:1-4)  長老たちに
  A'(5:5-7)  若い人たちに
 
   A:様々な人々への勧め

[8]悪魔への抵抗  (1 Pet 5:8-11)
 
  A(5:8)  あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、だれかを食い尽くそうと探し回っています(5:8)
    B(5:9)    信仰にしっかり踏みとどまって、悪魔に抵抗しなさい(5:9)
  A'(5:10-11)  神御自身が、しばらくの間苦しんだあなたがたを完全な者とし、強め、力づけ、揺らぐことがないようにしてくださいます(5:10)
 
   A:苦難 B:信仰にしっかり踏みとどまる

[9]結び  (1 Pet 5:12-14)
 
 
   結語


聖書の引用は「新共同訳聖書」より