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ペトロの手紙二の修辞構造

各ペリコーペの集中構造(コンチェントリック)と交差配列(キアスムス)と並行法(パラレル)

[1]神のすばらしい約束  (2 Pet 1:1-11)
 
  A(1:1-2)  わたしたちの神と救い主イエス・キリストの義によって、わたしたちと同じ尊い信仰を受けた人たちへ(1:1)   (σωτῆρος)
    B(1:3-4)    召し出してくださった方を認識させることによるのです(1:3)   (ἐπιγνώσεως)
      C(1:5-7)      勧め
    B'(1:8-9)    わたしたちの主イエス・キリストを知るようになるでしょう(1:8)   (ἐπίγνωσιν)
  A'(1:10-11)  わたしたちの主、救い主イエス・キリストの永遠の御国に確かに入ることができるようになります(1:11)   (σωτῆρος)
 
   A:救い主 B:知る C:勧め

[2]キリストの栄光、預言の言葉  (2 Pet 1:12-21)
 
  A(1:12-15)  自分が世を去った後もあなたがたにこれらのことを絶えず思い出してもらうように、わたしは努めます(1:15)
    B(1:16-18)    これはわたしの愛する子。わたしの心に適う者(1:17)
  A'(1:19-21)  暗い所に輝くともし火として、どうかこの預言の言葉に留意していてください(1:19)
 
   A:思い出す B:神の子

[3]偽教師についての警告  (2 Pet 2:1-12)
 
  A(2:1-3)  このような者たちに対する裁きは、昔から怠りなくなされていて、彼らの滅びも滞ることはありません。(2:3)
    B(2:4)    罪を犯した天使たちを容赦せず、暗闇という縄で縛って地獄に引き渡し、裁きのために閉じ込められました(2:4)   (τηρουμένους)
      C(2:5)      義を説いていたノアたち八人を保護なさった(2:5)
        D(2:6)        また、神はソドムとゴモラの町を灰にし、滅ぼし尽くして罰し(2:6)
      C'(2:7-8)      正しい人ロトを、助け出されました(2:7)
    B'(2:9)    正しくない者たちを罰し、裁きの日まで閉じ込めておくべきだと考えておられます(2:9)   (τηρεῖν)
  A'(2:10-12)  そういった動物が滅びるように、彼らも滅んでしまいます(2:12)
 
   A:滅び B:閉じこめ C:救出 D:罰

[4]敵対者たちへの非難  (2 Pet 2:13-22)
 
  A(2:13-16)  不義を行う者は、不義にふさわしい報いを受けます(2:13)   (ἀδικούμενοι)
    B(2:17-19)    迷いの生活からやっと抜け出て来た人たちを、肉の欲やみだらな楽しみで誘惑するのです(2:18)
  A'(2:20-22)  義の道を知っていながら、自分たちに伝えられた聖なる掟から離れ去るよりは、義の道を知らなかった方が、彼らのためによかったであろうに(2:21)   (δικαιοσύνης)
 
   A:不義の報い B:誘惑

[5]主の来臨の約束  (2 Pet 3:1-18)
 
  A(3:1-2)  わたしはあなたがたに二度目の手紙を書いています(3:1)   (ἐπιστολήν)
    B(3:3-4)    主が来るという約束は、いったいどうなったのだ(3:4)   (παρουσίας)
      C(3:5-7)      現在の天と地とは、火で滅ぼされるために、同じ御言葉によって取っておかれ(3:7)   (οὐρανοὶ, γῆ)
        D(3:8-9)        ある人たちは、遅いと考えているようですが、主は約束の実現を遅らせておられるのではありません(3:9)
      C'(3:10-11)      その日、天は激しい音をたてながら消えうせ、自然界の諸要素は熱に熔け尽くし、地とそこで造り出されたものは暴かれてしまいます(3:10)   (οὐρανοὶ, γῆ)
    B'(3:12-13)    神の日の来るのを待ち望み、また、それが来るのを早めるようにすべきです(3:12)   (παρουσίαν)
  A'(3:14-18)  彼は、どの手紙の中でもこのことについて述べています(3:16)   (ἐπιστολαῖς)
 
   A:手紙 B:主の日の到来 C:天地の滅び D:主は約束を遅らせない


聖書の引用は「新共同訳聖書」より