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シラ書の修辞構造

各ペリコーペの集中構造(コンチェントリック)と交差配列(キアスムス)と並行法(パラレル)

[1]知恵の賛歌  (Si1:1-30)
 
  A(1:1-10)  すべての知恵は、主から来る。主と共に永遠に存在する。(1:1)
    B(1:11-21)    主を畏れることは、誉れと誇り、幸せと喜びの冠である。(1:11)
  A'(1:22-26)  知恵を熱望するならば、主の掟を守り通すがよい。主は知恵を豊かに与えてくださる。(1:26)
    B'(1:27-30)    主を畏れることは、知恵であり、教訓である。主は、誠実と柔和を喜ばれる。(1:27)
 
   A:知恵 B:主を畏れること

[2]主を畏れる人  (Si2:1-18)
 
  A(2:1-5)  心を引き締めて、耐え忍べ。災難のときにも、取り乱すな。(2:2)
    B(2:6-9)    主を畏れる人たちよ、主の憐れみを待ち望め。わき見をしてはならない。さもないと、道を踏み外す。(2:7)
  A'(2:10-14)  忍耐を捨てた者は、禍いだ。主の裁きの時には、どうするつもりなのか。(2:14)
    B'(2:15-18)    主を畏れる人は、主の掟に背かない。主を愛する人は、主の道を歩み続ける。(2:15)
 
   A:試練 B:主を畏れること

[3]子への戒め  (Si3:1-4:10)
 
  A(3:1-11)  子供たちよ、父の戒めに耳を傾け、それを守れ。そうすれば、つつがなく暮らせる。(3:1)
    B(3:12-16)    子よ、年老いた父親の面倒を見よ。生きている間、彼を悲しませてはならない。(3:12)
  A'(3:17-31)  子よ、何事をなすにも柔和であれ。そうすれば、施しをする人にもまして愛される。(3:17)
    B'(4:1-10)    子よ、貧しい人の生活を脅かすな。乞い求めるまなざしの人をじらすな。(4:1)
 
   A:謙遜 B:弱者救済

[4]知恵を信頼する  (Si4:11-5:15)
 
  A(4:11-19)  お前が道をそれるなら、 知恵はお前を見捨て、 お前が破滅していくにまかせる(4:19)
    B(4:20-29)    知恵は、言葉によって知られ、 教訓は、語る言葉によって理解されるのだから(4:24)
  A'(4:30-5:8)  主の怒りが、突然やって来て、 裁きの時に、お前を滅ぼしてしまうからだ(5:7)
    B'(5:9-15)    人の言葉には、速やかに耳を傾け、 答えるときは、ゆっくり時間をかけよ(5:11)
 
   A:滅び B:言葉

[5]誠実な友  (Si6:1-17)
 
  A(6:1-4)  不誠実な友
    B(6:5-7)    誠実な友
  A'(6:8-13)  不誠実な友
    B'(6:14-17)    誠実な友
 
   A:不誠実な友 B:誠実な友

[6]知恵を求めよ  (Si6:18-37)
 
  A1(6:18-22)  子よ、若いときから教訓を受け入れよ。白髪になるまでに、知恵を見いだすように。(6:18)
  A2(6:23-31)  子よ、耳を傾けてわたしの意見に従え。わたしの忠告を拒んではならない。(6:23)
  A3(6:32-37)  子よ、望むなら、教訓を体得でき、心がければ、賢くなれるのだ。(6:32)
 
   A:子への呼びかけ

[7]悪を避けよ  (Si7:1-8:7)
 
  A(7:1-6)  権力者
    B(7:7-13)    弱者
      C(7:14-17)      年長者
        D(7:18-26)        隣人
      C'(7:27-31)      年長者
    B'(7:32-36)    弱者
  A'(8:1-7)  権力者
 
   A:権力者 B:弱者 C:年長者 D:隣人

[8]知恵ある者  (Si8:8-9:18)
 
  A(8:8-9)  知恵ある人の話をなおざりにせず、その格言に心を留めよ。(8:8)
    B(8:10-19)    罪人の情欲の炭に火をつけるな。(8:10)
      C(9:1-9)      愛する妻に、やきもちをやくな。お前を傷つける悪知恵を、彼女に教えるだけだ。(9:1)
    B'(9:10-13)    罪人の成功をねたむな(9:11)
  A'(9:14-18)  知恵ある人と相談せよ。(9:14)
 
   A:知恵ある者 B:罪人 C:女性

[9]統治者  (Si10:1-27)
 
  A(10:1-5)  知恵ある統治者は、その民を教育し、聡明な人の政治は、秩序あるものとなる。(10:1)
    B(10:6-13)    高慢は、主にも人にも嫌われ、不正は、そのいずれからも非難される。(10:7)
      C(10:14-17)      主は、支配者たちをその王座から降ろし、代わりに、謙遜な人をその座につけられた。(10:14)
    B'(10:18-22)    人間は、高慢であってはならず、 女から生まれた者は、 激しい憤りを抱いてはならないのだ(10:18)
  A'(10:23-27)  地位の高い人や判事や権力者は、栄誉を受ける(10:24)
 
   A:権力者 B:高慢 C:主の裁き

[10]貧困と富  (Si10:28-11:28)
 
  A(10:28-29)  子よ、慎み深く、自らに誇りを持ち、自分を、あるがままに、正しく評価せよ。(10:28)
    B(10:30-11:6)    貧しい人は、その知識によって尊ばれ、金持ちは、その富によって尊ばれる。(10:30)
      C(11:7-9)      よく調べないうちに、とがめてはならない。(11:7)
  A'(11:10-11)  子よ、あまり多くの事に手を出すな。(11:10)
    B'(11:12-22)    善と悪、生と死、貧困と富は、主が与えるもの(11:14)
      C'(11:23-28)      お前はこう言ってはならない。(11:23)
 
   A:子への呼びかけ B:富と貧困 C:勧告

[11]真の友  (Si11:29-12:18)
 
  A(11:29-34)  悪者に気をつけよ。悪事をたくらんでいるのだから。お前が傷つき、いつまでも苦しまないように。(11:33)
    B(12:1-7)    善い業をするときには、相手をわきまえよ。そうすれば、お前の善い行いは感謝される。(12:1)
  A'(12:8-18)  幸福なときには、真の友を見分けられない。不幸なときには、だれが敵かはっきりする。"(12:8)
 
   A:悪人を避ける B:善行をするとき

[12]金持ちと権力者  (Si13:1-26)
 
  A(13:1-2)  お前よりも力や金のある者と交わるな(13:2)
    B(13:3-7)    金持ちは不正を働きながら、しかも、脅迫する。(13:3)
      C(13:8-14)      はずむ話は、お前を試すためであり、ほほ笑みながらもお前を探っているのだ。(13:11)
  A'(13:15-20)  生き物はすべて、その同類を愛し、人間もすべて、自分に近い者を愛する。(13:15)
    B'(13:21-23)    金持ちがよろめくと、友人が支えてくれる。(13:21)
      C'(13:24-26)      心の状態で、人の顔つきは変わる。 うれしい顔にもなれば、悲しい顔にもなる。(13:25)
 
   A:同類 B:金持ちとの違い C:表情

[13]幸いな者  (Si14:1-27)
 
  A(14:1-10)  口を滑らすことのない人は幸いだ。(14:1)
    B(14:3-10)    物惜しみをする人に、金銭は何の役に立つのか(14:3)
    B'(14:11-19)    子よ、分に応じて、財産を自分のために使え。主に対しては、ふさわしい供え物を献げよ。(14:11)
  A'(14:20-27)  知恵に深く思いを寄せる人、英知をもって理を究める人は、幸いだ。(14:20)
 
   A:幸いなもの B:財産を使う

[14]知恵を悟る  (Si15:1-20)
 
  A(15:1-6)  主を畏れる人は、これを行う。律法に精通している者は、知恵を悟る。(15:1)
    B(15:7-12)    愚かな者は、決して知恵を悟らず、罪深い者は、知恵をかいま見ることすらない。(15:7)
  A'(15:13-20)  主は、忌まわしいことをすべて憎まれる。それらは、主を畏れる人にも好ましくない。(15:13)
 
   A:主を畏れる人 B:罪人

[15]悪人への罰  (Si16:1-25)
 
  A(16:1-4)  役に立たないような子を、大勢欲しがるな。不信仰な息子たちを、喜ぶな。(16:1)
    B(16:5-10)    罪人の集まる所に、焼き尽くす火が燃え上がり、反逆の民の間に、神の怒りが燃え盛った。(16:6)
      C(16:11-16)      その憐れみが深いように、とがめもまた厳しい。主は、人を、それぞれの業によって裁かれる。(16:12)
    B'(16:17-23)    山や、大地の基も、主が見つめると、共に震えおののく。(16:19)
  A'(16:24-25)  子よ、わたしに耳を傾け、知識を身につけよ。わたしの言葉を心に銘記せよ。(16:24)
 
   A:子 B:裁き C:憐れみととがめ

[16]創造の業  (Si16:26-17:24)
 
  A(16:26-28)  主は、初めに創造の業をなされたとき、 被造物にそれぞれの領分を定められた(16:26)
    B(16:29-17:1)    主は、地に目を注がれた(16:29)
      C(17:2-8)      主が人に与える
        D(17:9-10)        聖なる御名をほめたたえる(17:10)
      C'(17:11-18)      主が人に与える
    B'(17:19-17:22)    主の目は、絶えず彼らの歩みに注がれている(17:19)
  A'(17:23-24)  最後に、主は、立ち上がって人々を裁き(17:23)
 
   A:主の裁き B:主がご覧になる C:主が人に与える D:聖なる御名をほめたたえる

[17]主の裁き  (Si17:25-18:14)
 
  A(17:25-29)  なんと偉大なことか、主の憐れみと、 立ち帰る者への贖いとは(17:29)
    B(17:30-32)    人は、何でもできるわけではない。 人の子は不死身ではないのだから。(17:30)
      C(18:1-6)      永遠に生きている方が、万物をことごとく造られた。(18:1)
    B'(18:7-10)    人が究め尽くしたと思ったときは、 まだ始まったばかりであり、 途中でやめてしまうと、徒労に終わる(18:7)
  A'(18:11-14)  主は、人々に対して忍耐し、 憐れみを彼らに注がれる(18:11)
 
   A:憐れみ B:人の限界 C:創造主

[18]用心深く  (Si18:15-19:3)
 
  A(18:15-18)  子よ、援助をするときには、相手を傷つけるな。施すときにも、相手をおとしめる言葉を吐くな。(18:15)
    B(18:19-21)    口を開く前に、よく考えよ(18:19)
      C(19:22-26)      豊かなときには、飢饉のときを思い、富んでいるときには、貧乏なときを思え。(18:25)
    B'(18:27-29)    知恵ある人は、すべてに用心深く、罪がはびこっているときには、過ちを犯さないよう気をつける。(18:27)
  A'(18:30-19:3)  享楽にふけるな。宴会の費用がかさんで、身を滅ぼしてしまう。(18:32)
 
   A:出費 B:慎重 C:苦難のときを思う

[19]口を慎む  (Si19:4-30)
 
  A(19:4-12)  すぐに人を信じる者は、心が浅はかであり、罪を犯す者は、自分自身を損なう。(19:4)
    B(19:13-17)    うわさの渦中の友人には、問いただせ。彼は何もしていなかったのかもしれない。何かしていても、二度とはしなくなるだろう。(19:13)
  A'(19:18-30)  ならず者が黒の喪服を着て身をかがめても、その心の中は、欺きに満ちている。(19:26)
 
   A:他人の評価 B:問いただす

[20]贈り物  (Si20:1-32)
 
  A(20:1-8)  とがめるのに適切でない時があり、 黙っている方が、分別を示すこともある(20:1)
    B(20:9-17)    不幸な目に遭って、幸せを見つける人もいれば、思わぬ幸運に巡り会って、損をする者もいる。(20:9)
  A'(20:18-26)  口を滑らすよりは、道で滑る方がましだ(20:18)
    B'(20:27-32)    知恵ある人は、小さなきっかけで出世する。思慮深い人は、上に立つ人の好意を受ける。(20:27)
 
   A:口のきき方 B:運不運

[21]知恵ある人と愚か者  (Si21:1-22:26)
 
  A(21:1-10)  子よ、お前は罪を犯した。二度と繰り返すな。過去の罪については、赦しをこいねがえ。(21:1)
    B(21:11-28)    愚か者の腹は、壊れた壷のようなもの、どんな知識もこぼれ出てしまう。(21:14)
      C(22:1-8)      怠け者は、糞で汚れた石と同じで、だれもが、その汚らわしさをなじる(22:1)
    B'(22:9-18)    愚か者を教えるのは、陶器の破片をつなぎ合わせるようなもの(22:9)
  A'(22:19-26)  友に向かって剣を抜いたとしても、望みを捨てるな。まだ和解の道はある。(22:21)
 
   A:罪と赦し B:愚か者 C:怠け者

[22]罪からの救いを願う祈り  (Si22:27-23:6)
 
  A(22:27)  だれがわたしの口に見張りを置き、 わたしの唇に堅く封印してくださるのか(22:27)
    B(23:1)    主よ、父よ、わが命の君よ(23:1)
  A'(23:2-3)  だれが、わたしの思いに鞭を当て、 わたしの心に知恵の訓練を施してくださるのか(23:2)
    B'(23:4-5)    主よ、父よ、わが命の神よ(23:4)
 
   A:誰が B:主よ、父よ

[23]口のきき方  (Si23:7-15)
 
  A(23:7-11)  誓い
  A'(23:12-15)  下品でみだらな話
 
   A:言葉での問題

[24]不貞  (Si23:16-28)
 
  A(23:16-21)  姦淫の男
  A'(23:22-28)  姦淫の女
 
   A:姦淫

[25]知恵の賛歌  (Si24:1-34)
 
  A(24:1-7)  知恵は自分自身をほめたたえ、その民の中で誇らしげに歌う。(24:1)
    B(24:8-18)    わたしはレバノンの杉のように、ヘルモン山の糸杉のように大きく育った。(24:13)
      C(24:19-22)      わたしを慕う人たちよ。わたしのもとに来て、 わたしの実を心行くまで食べよ。(24:19)
    B'(24:23-27)    律法は、ピション川のように、初物の季節のチグリス川のように、知恵であふれている。(24:25)
  A'(24:28-34)  知恵の思いは海よりも広く、その計画は地下の海よりも深いから。(24:29)
 
   A:知恵 B:たとえ C:実り

[26]良い妻と悪い妻  (Si25:1-27:3)
 
  A(25:1-6)  横柄な貧乏人、 うそつきの金持ち(25:2)
    B(25:7-26:4)    
    B'(26:5-27)    
  A'(26:28-27:3)  多くの者たちは、利益を求めて罪を犯し、 裕福になろうと躍起になっている者は、 悪いことにも目をつぶる(27:1)
 
   A:金持ちの悪 B:妻

[27]秘密の暴露  (Si27:4-21)
 
  A(27:4-10)  ふるいを揺さぶると滓が残るように、人間も話をすると欠点が現れてくるものだ(27:4)
    B(27:11-15)    信仰深い人の話には、常に知恵がある。愚か者は、月の形のように変わる(27:11)
  A'(27:16-21)  秘密を漏らす者は信頼されなくなり、心を寄せてくれる友人を持つことはできない(27:16)
 
   A:言葉が明らかにする B:信仰深い人の話と愚か者の話

[28]悪を行う者  (Si27:22-28:7)
 
  A(27:22-24)  目をそらす者は、悪事をたくらんでいる。それを見た者は彼を敬遠する。(27:22)
    B(27:25-28:1)    上に向かって石を投げれば頭の上に落ちてくる。だまし討ちをすれば自分も傷つく。(27:25)
  A'(28:2-7)  隣人から受けた不正を赦せ。そうすれば、願い求めるとき、お前の罪は赦される。(28:2)
 
   A:隣人の悪 B:自業自得

[29]陰口  (Si28:8-26)
 
  A(28:8-12)  口論に加わるな。そうすれば、お前は罪を犯す機会が少なくなる。(28:8)
    B(28:13-16)    陰口は多くの人の心を乱し、国から国へと人々を追い立て、堅固な町々を破壊し、権力者たちの家を破滅させた。(28:14)
    B'(28:17-23)    鞭で打つと皮膚が裂け、 舌で打つと、骨さえ砕ける(28:17)
  A'(28:24-26)  口を滑らせないように注意せよ。待ち構えている者の餌食になるな。(28:26)
 
   A:沈黙 B:言葉の攻撃

[30]隣人の援助  (Si29:1-28)
 
  A(29:1-13)  借金
    B(29:14-20)    保証人
  A'(29:21-28)  借家
 
   A:借りる B:保証人

[31]子のしつけ  (Si30:1-13)
 
  A(30:1-6)  わが子を愛する者は、しばしば鞭で懲らしめる。そうすれば晩年、子供は彼の喜びとなる。(30:1)
  A'(30:7-13)  子を甘やかす者は、傷の手当てに明け暮れ、子がわめき叫ぶのを聞く度に、心を煩わす(30:7)
 
   A:子の教育

[32]健康と富  (Si30:14-31:11)
 
  A(30:14-20)  健康で丈夫な体は、あらゆる黄金にまさり、強じんな精神は、莫大な財産にまさる。(30:15)
    B(30:21-25)    悲しみに負けて気力を失うな。あれこれ思い悩むことはない。(30:21)
  A'(31:1-11)  夜も寝ないで富を蓄えれば体はやせ衰え、その富が心配で眠れなくなる。(31:1)
 
   A:富と健康 B:悲しみ

[33]食卓  (Si31:12-32:13)
 
  A1(31:12-24)  食事のマナー
  A2(31:25-31)  酒のマナー
  A3(32:1-13)  会話のマナー
 
   A:宴会のマナー

[34]律法  (Si32:14-33:6)
 
  A(32:14-18)  主を畏れる
    B(32:19-22)    よく考えずに何事をも行うな。そうすれば、何をしても後で悔やむことがない。(32:19)
  A'(32:23-33:3)  主を畏れる
    B'(33:4-6)    話は前もって準備せよ。そうすれば聞いてもらえる。習得したことを整理してから答えよ。(33:4)
 
   A:主を畏れる B:準備

[35]罪人と信仰者  (Si33:7-33)
 
  A(33:7-15)  創造における差異
    B(33:16-19)    わたしの言葉を聞け。民の上に立つ者たちよ。 会衆の指導者たちよ、わたしに耳を傾けよ。(33:19)
  A'(33:20-33)  人間関係での差異
 
   A:差異 B:わたしの言葉を聞け

[36]経験と空想  (Si34:1-12)
 
  A(34:1-7)  良識のない者はむなしく根拠のない望みを抱く。夢は愚かな者たちを空想へと駆り立てる。(34:1)
    B(34:8)    律法は、そのような偽りによっては全うされず、知恵も誠実な人の口から出てこそ全うされる。(34:8)
  A'(34:9-12)  旅をした人は、多くのことを知っており、経験豊かな人は、洞察に富んだ事柄を語る。(34:9)
 
   A:空想と経験 B:律法と知恵

[37]献げ物  (Si34:13-35:24)
 
  A(34:13-17*)  主を畏れる人の霊は生き永らえる。(34:13)
    B(34:18-26*)    不正に得たものを、いけにえとして献げるなら、その献げ物は汚れた物である。(34:18)
      C(35:1-3*)      律法を守ることは、多くの供え物に匹敵し(35:1)
    B'(35:4-12*)    あふれる心で主を賛美し、お前の労働の初穂を出し惜しみしてはならない。(35:7)
  A'(35:13-24*)  御旨に従って主に仕える人は受け入れられ、その祈りは雲にまで届く。(35:16)
 
   A:主を畏れる者 B:いけにえ C:律法を守る

[38]主のしるし  (Si36:1-17)
 
  A(36:1-5*)  万物の神である主よ、わたしたちを憐れんでください。(36:1)
    B(36:6*)    憤りを起こし、怒りを注ぎ(36:6)
      C(36:7*)      あなたが定められた時を思い出し、その時を速めてください。(36:7)
    B'(36:8-11*)    生き残った者は、燃え盛る怒りに呑み込まれ(36:8)
  A'(36:10-17*)  主よ、憐れんでください。(36:11)
 
   A:憐れみ B:罰 C:その時を速めてください

[39]助言者  (Si36:18-37:12)
 
  A(36:18-27*)  妻をめとった者は、財産造りを始めたのだ(36:24)
    B(37:1-6)    友人
    B'(37:7-9)    助言者
  A'(37:10-12)  女のことでは、妻に、 戦争については、臆病者に相談するな(37:11)
 
   A:妻 B:味方

[40]自分自身の究明  (Si37:13-31)
 
  A(37:13-18)  すべての仕事は言葉をもって始まり、 考察は、あらゆる行動に先立つ(37:16)
    B(37:19-21)    多くの人々を教え導くほど賢くても、自分のことについては全くだめな人もいる。(37:19)
    B'(37:22-26)    知恵ある人は自分自身の生活を豊かにし、悟りは人の体に実を結ぶ。(37:22)
  A'(37:27-31)  子よ、生きているかぎり、自分自身を究明し、自分に何が有害かを見極め、それを避けよ。(37:27)
 
   A:熟考 B:自分自身

[41]医者  (Si38:1-23)
 
  A(38:1-8)  医者をその仕事のゆえに敬え。主が医者を造られたのだから。(38:1)
    B(38:9-11)    子よ、病気になったら放置せず、主に祈れ(38:9)
  A'(38:12-15)  その上で、医者にも助けを求めよ。主が医者を造られたのだから。(38:12)
    B'(38:16-23)    子よ、死者のために涙を流せ(38:16)
 
   A:医者 B:子への呼びかけ

[42]学者  (Si38:24-39:11)
 
  A(38:24-34)  職人
  A'(39:1-11)  学者
 
   A:職業

[43]主の御業  (Si39:12-35)
 
  A(39:12-16a)  思いを巡らし、更に語ろう。わたしの心は、満月のように満ちている。(39:12)
    B(39:16b-23)    軽々しく、こう言ってはならない。 「これは何か」 「これは何のためか」 と。(39:17)
    B'(39:24-31)    良いものは、初めから良い人々のために造られ、 悪いものは、罪人たちのために造られた。(39:25)
  A'(39:32-35)  わたしは初めから、以上のことを確信し、思い巡らした後、こう書き残した。(39:32)
 
   A:思いを巡らす B:創造の理由

[44]生の苦労  (Si40:1-17)
 
  A(40:1-7)  母の胎を出た日から、万物の母なる大地のもとへと戻るその日まで(40:1)
    B(40:8-10)    これらはみな不法な者たちのために用意された。あの洪水が起こったのも彼らのせいである。(40:10)
  A'(40:11-17)  土から出たものはすべて土に帰り、水から出たものはすべて海に戻る。(40:11)
 
   A:帰る B:災い

[45]死を思う  (Si40:18-41:13)
 
  A(40:18-30)  主を畏れることは、祝福された楽園のようだ(40:27)
    B(41:1-4)    死の宣告を恐れるな。先に死んだ人と、後から来る人のことを考えよ。(41:3)
  A'(41:5-13)  不信仰な者たちよ、お前たちは禍いだ(41:8)
 
   A:信仰と不信仰 B:死

[46]恥  (Si41:14-42:14)
 
  A(41:14-16)  いつも卑下すればよいというものではない(41:16)
    B(41:17-42:1a)    みだらなふるまいを、父や母の前で、偽りを、支配者や王侯の前で恥じよ。(41:17)
  A'(42:1b-8)  以下の事柄は恥じる必要がない(42:1)
    B'(42:9-14)    さもないと、お前は敵の笑いものになり、 町中のうわさの種、野次馬の群がるもととなり、 公衆の面前で恥をかくことになる(42:11)
 
   A:恥じない B:恥じる

[47]万物の創造  (Si42:15-43:33)
 
  A(42:15-25)  わたしは今、主の業を思い浮かべ、わたしの見たことを詳しく語ろう(42:15)
    B(43:1-26)    被造物
  A'(43:27-33)  いかに多くを語っても、決して語り尽くせない(43:27)
 
   A:主の業を語る B:被造物

[48]先祖  (Si44:1-50:26)
 
  A(44:1-15)  誉れ高き人々をたたえよう、我々の歴代の先祖たちを(44:1)
    B(44:16-49:13)    義人たち
      C(49:14-16)      この世に生を受けた者のうちだれ一人、エノクに並ぶ者はなかった。彼は地上から天に移されたからだ。(49:14)
    B'(50:1-21)    大祭司シモン
  A'(50:22-26)  さあ、万物の神をほめたたえよ。(50:22)
 
   A:たたえる B:義人 C:優れた者

[49]結び  (Si50:27-29)
 
 
   結び


聖書の引用は「新共同訳聖書」より