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民数記の修辞構造

テキスト全体での集中構造(コンチェントリック)と交差配列(キアスムス)

民数記全体としての中心は、「コラたちの反乱」 (no. 25, 16:1-17:5)である。モーセとアロンに対して民が反乱を起こし、地に飲み込まれる物語となっている。おそらく反乱する民の物語は、出エジプト記での中心である水に飲み込まれるエジプト軍の物語と対比させられていると考えられる。


1-1

1 人口調査の命令 (1:1-47)
  2 レビ人の任務 (1:48-54)
    3 全軍の配置 (2:1-34)
      4 レビ人の務めと人口調査 (3:1-51)
        5 レビ人の務めと人口調査 (4:1-49)
          6 祭儀と誓願の規定 (5:1-6:27)
            7 イスラエルの指導者の奉げ物 (7:1-88)
              8 レビ人とアロンへの指示 (7:89-8:26)
                9 月遅れの過ぎ越しの規定 (9:1-14)
                  10 幕屋と雲 (9:15-23)
                    11 銀のラッパ (10:1-10)
                      12 シナイ出発 (10:11-28)
                        13 モーセとホバブ (10:29-32)
                          14 契約の箱 (10:33-36)
                            15 民の不満 (11:1-35)
                              16 ミリアムとアロン (12:1-16)
                                17 カナン偵察 (13:1-24)
                                  18 偵察の報告 (13:25-33)
                                    19 民の反抗 (14:1-10)
                                      20 背信の罪 (14:11-35)
                                        21 カナンでの敗北 (14:36-45)
                                          22 誓願と贖罪の奉げ物 (15:1-31)
                                            23 安息日の違反 (15:32-36)
                                              24 衣服の房 (15:37-41)
                                                25 コラたちの反乱 (16:1-17:5)
                                              26 アロン民を救う (17:6-15)
                                            27 アロンの杖 (17:16-28)
                                          28 祭司とレビ人に関する規定 (18:1-32)
                                        29 清めの水 (19:1-22)
                                      30 メリバの泉 (20:1-13)
                                    31 エドム王との交渉・迂回 (20:14-21)
                                  32 アロンの死 (20:22-29)
                                33 カナン人に対する勝利 (21:1-3)
                              34 青銅の蛇 (21:4-9)
                            35 モアブの谷までの旅 (21:10-20)
                          36 シホンとオグに対する勝利 (21:21-35)
                        37 バラクとバラム (22:1-40)
                      38 バラムの託宣 (22:41-24:25)
                    39 ピネハスの情熱 (25:1-19)
                  40 第二の人口調査 (26:1-65)
                41 娘たちの申し出 (27:1-11)
              42 ヨシュアの任命 (27:12-23)
            43 献げ物と誓願の規定 (28:1-30:17)
          44 ミディアンに対する復讐 (31:1-54)
        45 ルベンとガドの土地 (32:1-42)
      46 エジプトを出てからの旅程 (33:1-49)
    47 ヨルダン川を渡るに当たっての命令 (33:50-34:29)
  48 レビ人の町・逃れの町 (35:1-34)
49 相続人が女性の場合の規定 (36:1-13)
前半関係性後半
1 人口調査の命令 (1:1-47)
父祖以来の部族の指導者(1:16)
父祖以来49 相続人が女性の場合の規定 (36:1-13)
イスラエルの人々はそれぞれ、父祖伝来の嗣業の土地を相続することができる。(36:8)
2 レビ人の任務 (1:48-54)
レビ人には掟の幕屋、その祭具および他の付属品にかかわる任務を与え、幕屋とすべての祭具の運搬と管理をさせ、幕屋の周囲に宿営させなさい。(1:50)
レビの嗣業48 レビ人の町・逃れの町 (35:1-34)
嗣業として所有する土地の一部をレビ人に与えて、彼らが住む町とし、その町の周辺の放牧地もレビ人に与えなさい。(35:2)
3 全軍の配置 (2:1-34)
ユダの人々の指導者はアミナダブの子ナフションで…(2:3-29)
部族の指導者47 ヨルダン川を渡るに当たっての命令 (33:50-34:29)
あなたたちは、各部族から指導者を一名選んで、土地を分け与えさせなさい。(34:18)
4 レビ人の務めと人口調査 (3:1-51)
エジプトの国ですべての初子を打ったとき、わたしはイスラエルの初子を人間から家畜に至るまでことごとく聖別して、わたしのものとした。(3:13)
エジプトの初子を撃つ46 エジプトを出てからの旅程 (33:1-49)
エジプト人はそのとき、彼らの間で主の撃たれたすべての初子を葬っていた。(33:4)
5 レビ人の務めと人口調査 (4:1-49)
レビ族の氏族ごとの任務(4:1-49)
部族の嗣業45 ルベンとガドの土地 (32:1-42)
わたしたちの嗣業の土地はヨルダン川のこちら側、東側にあるからです。(32:19)
6 祭儀と誓願の規定 (5:1-6:27)
人がそれぞれ、携えて来る聖なる献げ物は祭司のものとなり、人が祭司に与える物はみな祭司のものとなる。(5:10)
祭司の取り分44 ミディアンに対する復讐 (31:1-54)
モーセは、主に命じられたとおり、これらの分を主にささげる献納物として祭司エルアザルに渡した。(31:41)
7 イスラエルの指導者の奉げ物 (7:1-88)
彼らは、指導者二人につき一台のほろ付き牛車と、指導者一人につき雄牛一頭の割りで、六台の牛車と十二頭の雄牛を献げ物として主の御前に、すなわち、幕屋の前に引いて来た。(7:3)
献げ物43 献げ物と誓願の規定 (28:1-30:17)
献げ物の規定(28:1-30:17)
8 レビ人とアロンへの指示 (7:89-8:26)
レビ人を主の御前に進ませ、イスラエルの人々はレビ人の上に手を置く。次に、アロンはイスラエルの人々の奉納物として、レビ人を主の御前に差し出して主に仕える者とする。(8:10-11)
任命42 ヨシュアの任命 (27:12-23)
モーセは、主が命じられたとおりに、ヨシュアを選んで祭司エルアザルと共同体全体の前に立たせ、手を彼の上に置いて、主がモーセを通して命じられたとおりに、彼を職に任じた。(27:22-23)
9 月遅れの過ぎ越しの規定 (9:1-14)
汚れているのでもなく、旅に出ているのでもなくて過越祭を祝わない者があれば、その者は自分の民から断たれる。(9:13)
民の中から絶たれる41 娘たちの申し出 (27:1-11)
男の子がないからといって、どうして父の名がその氏族の中から削られてよいでしょうか。(27:4)
10 幕屋と雲 (9:15-23)
彼らはモーセを通してなされた主の命令に従い、主の言いつけを守った。 (9:23)
主に従う/背く40 第二の人口調査 (26:1-65)
このダタンとアビラムは共同体の召集者であったが、主に逆らったコラの仲間に同調してモーセとアロンに反逆した。(26:9)
11 銀のラッパ (10:1-10)
ラッパを吹くのは、祭司であるアロンの子らの役目であって、それはあなたたちが代々にわたって守るべき不変の定めである。(10:8)
永遠の祭司職39 ピネハスの情熱 (25:1-19)
彼と彼に続く子孫は、永遠の祭司職の契約にあずかる。(25:13)
12 シナイ出発 (10:11-28)
彼らは、モーセを通してなされた主の命令によって、初めて旅立った。(10:13)
主に従う38 バラムの託宣 (22:41-24:25)
神が呪いをかけぬものにどうしてわたしが呪いをかけられよう。主がののしらぬものをどうしてわたしがののしれよう。(23:8)
12 シナイ出発 (10:11-28)
このような順序でイスラエルの人々は部隊ごとに旅立った。(10:28)
部族ごとの宿営38 バラムの託宣 (22:41-24:25)
バラムは目を凝らして、イスラエルが部族ごとに宿営しているのを見渡した。(24:2)
13 モーセとホバブ (10:29-32)
どうか、わたしたちを見捨てないでください。あなたは、荒れ野のどこに天幕を張ればよいか、よくご存じです。わたしたちの目となってください。一緒に来てくだされば、そして主がわたしたちに幸せをくださるなら、わたしたちは必ずあなたを幸せにします。(10:31-32)
来てくれるように頼む37 バラクとバラム (22:1-40)
どうかわたしのところに来るのを拒まないでください。あなたを大いに優遇します。(22:16-17)
14 契約の箱 (10:33-36)
あなたの敵は散らされあなたを憎む者は御前から逃げ去りますように。(10:35)
敵に勝つ36 シホンとオグに対する勝利 (21:21-35)
イスラエルは彼とその子らを含む全軍を一人残らず撃ち殺し、その国を占領した。(21:35)
15 民の不満 (11:1-35)
主はあなたたちに肉をお与えになり、あなたたちは食べることができる。(11:18)
主が与える糧35 モアブの谷までの旅 (21:10-20)
民を集めよ、彼らに水を与えよう(21:16)
16 ミリアムとアロン (12:1-16)
ミリアムを七日の間宿営の外に隔離しなさい。その後、彼女は宿営に戻ることができる。(12:14)
罰からの救い34 青銅の蛇 (21:4-9)
モーセは青銅で一つの蛇を造り、旗竿の先に掲げた。蛇が人をかんでも、その人が青銅の蛇を仰ぐと、命を得た。(21:9)
17 カナン偵察 (13:1-24)
人を遣わして、わたしがイスラエルの人々に与えようとしているカナンの土地を偵察させなさい。(13:2)
カナンを与える33 カナン人に対する勝利 (21:1-3)
主はイスラエルの言葉を聞き入れ、カナン人を渡された。(21:3)
18 偵察の報告 (13:25-33)
彼と一緒に行った者たちは反対し、「いや、あの民に向かって上って行くのは不可能だ。彼らは我々よりも強い」と言い、 13:32 イスラエルの人々の間に、偵察して来た土地について悪い情報を流した。(13:31-32)
主に逆らう32 アロンの死 (20:22-29)
アロンは先祖の列に加えられる。わたしがイスラエルの人々に与える土地に、彼は入ることができない。あなたたちがメリバの水のことでわたしの命令に逆らったからだ。(20:24)
19 民の反抗 (14:1-10)
どうして、主は我々をこの土地に連れて来て、剣で殺そうとされるのか。妻子は奪われてしまうだろう。それくらいなら、エジプトに引き返した方がましだ。(14:3)
出エジプト31 エドム王との交渉・迂回 (20:14-21)
主に助けを求めて叫びますと、主はわたしたちの声を聞いて御使いを遣わし、エジプトから導き出してくださいました。(20:16)
20 背信の罪 (14:11-35)
わたしが彼らの先祖に誓った土地を見ることはない。わたしをないがしろにする者はだれ一人としてそれを見ることはない。(14:23)
約束の地に入れない30 メリバの泉 (20:1-13)
それゆえ、あなたたちはこの会衆を、わたしが彼らに与える土地に導き入れることはできない。(20:12)
21 カナンでの敗北 (14:36-45)
土地について悪い情報を流した者は、主の御前で疫病にかかって死んだ。(14:37)
主によって絶たれる29 清めの水 (19:1-22)
すべて、死者の体に触れて身を清めない者は、主の幕屋を汚す。その者はイスラエルから断たれる。清めの水が彼の上に振りかけられないので、彼は汚れており、汚れがなお、その身のうちにとどまっているからである。(19:13)
22 誓願と贖罪の奉げ物 (15:1-31)
彼は主の言葉を侮り、その命令を破ったのであるから、必ず断たれ、その罪責を負う。(15:31)
罪責を負う28 祭司とレビ人に関する規定 (18:1-32)
あなたとあなたの子ら、ならびにあなたの父祖の家の者らは、共に聖所に関する罪責を負わねばならない。また、あなたとあなたの子らは、共に祭司職に関する罪責を負わねばならない。(18:1)
23 安息日の違反 (15:32-36)
共同体全体は、主がモーセに命じられたとおり、彼を宿営の外に連れ出して石で打ち殺したので、彼は死んだ。(15:36)
罪により死ぬ27 アロンの杖 (17:16-28)
そうすれば、わたしに対する不平がやみ、彼らが死ぬことはない。(17:25)
24 衣服の房 (15:37-41)
それはあなたたちの房となり、あなたたちがそれを見るとき、主のすべての命令を思い起こして守り、あなたたちが自分の心と目の欲に従って、みだらな行いをしないためである。(15:39)
逆らう者26 アロン民を救う (17:6-15)
その翌日、イスラエルの人々の共同体全体は、モーセとアロンに逆らって、あなたたちは主の民を殺してしまったではないかと不平を言った。(17:6)

聖書の引用は「新共同訳聖書」より