トップ  >  聖書の修辞構造  >  シラ書  >  2

シラ書の修辞構造

2分割での集中構造(コンチェントリック)と交差配列(キアスムス)


2-1

1 知恵の賛歌 (1:1-30)
  2 主を畏れる人 (2:1-18)
    3 子への戒め (3:1-4:10)
      4 知恵を信頼する (4:11-5:15)
        5 誠実な友 (6:1-17)
          6 知恵を求めよ (6:18-37)
            7 悪を避けよ (7:1-8:7)
              8 知恵ある者 (8:8-9:18)
                9 統治者 (10:1-27)
                  10 貧困と富 (10:28-11:28)
                    11 真の友 (11:29-12:18)
                      12 金持ちと権力者 (13:1-26)
                        13 幸いな者 (14:1-27)
                      14 知恵を悟る (15:1-20)
                    15 悪人への罰 (16:1-25)
                  16 創造の業 (16:26-17:24)
                17 主の裁き (17:25-18:14)
              18 用心深く (18:15-19:3)
            19 口を慎む (19:4-30)
          20 贈り物 (20:1-32)
        21 知恵ある人と愚か者 (21:1-22:26)
      22 罪からの救いを願う祈り (22:27-23:6)
    23 口のきき方 (23:7-15)
  24 不貞 (23:16-28)
25 知恵の賛歌 (24:1-34)
前半関係性後半
1 知恵の賛歌 (1:1-30)
すべての知恵は、主から来る。主と共に永遠に存在する(1:1)
知恵の賛歌25 知恵の賛歌 (24:1-34)
知恵は自分自身をほめたたえ、その民の中で誇らしげに歌う(24:1)
2 主を畏れる人 (2:1-18)
主を畏れる人たちよ、主の憐れみを待ち望め。わき見をしてはならない。さもないと、道を踏み外す。(2:7)
主を畏れる24 不貞 (23:16-28)
こうして、後に残った人々は悟るであろう。主を畏れることは、すべてにまさり、主の戒めに従うことは何よりも麗しいと。(23:27)
3 子への戒め (3:1-4:10)
子供たちよ、父の戒めに耳を傾け、それを守れ。そうすれば、つつがなく暮らせる。(3:1)
子への諭し23 口のきき方 (23:7-15)
子らよ、口の利き方についての教訓を聞け。これを守る者は、決して災いに陥らない。(23:7)
4 知恵を信頼する (4:11-5:15)
軽はずみな口を利くな。仕事を怠けたり、なげやりにしたりするな。(4:29)
沈黙22 罪からの救いを願う祈り (22:27-23:6)
だれがわたしの口に見張りを置き、わたしの唇に堅く封印してくださるのか。わたしが唇で過ちに陥らず、舌がわたしを滅ぼさないために。(22:27)
5 誠実な友 (6:1-17)
友となるべきときに、裏切って敵となるな(6:1)
友との争い21 知恵ある人と愚か者 (21:1-22:26)
友に向かって剣を抜いたとしても、望みを捨てるな。まだ和解の道はある。 (22:21)
6 知恵を求めよ (6:18-37)
子よ、若いときから教訓を受け入れよ。白髪になるまでに、知恵を見いだすように。(6:18)
知恵を得る20 贈り物 (20:1-32)
自分の知恵を隠す人よりは、自分の愚かさを隠す人の方がましだ。(20:31)
7 悪を避けよ (7:1-8:7)
悪を行うな。そうすれば、悪はお前を襲わない。(7:1)
悪を避ける19 口を慎む (19:4-30)
すぐに人を信じる者は、心が浅はかであり、罪を犯す者は、自分自身を損なう。(19:4)
8 知恵ある者 (8:8-9:18)
罪人の情欲の炭に火をつけるな。その燃える炎で、やけどをしないともかぎらない。(8:10)
情欲18 用心深く (18:15-19:3)
欲望に引きずられるな。情欲を抑えよ。(18:30)
9 統治者 (10:1-27)
どんな被造物が尊敬に値するか。人類だ。どんな人が尊敬に値するか。主を畏れる人だ。どんな被造物が尊敬に値しないか。人類だ。どんな人が尊敬に値しないか。掟を破る者だ。(10:19)
創造17 主の裁き (17:25-18:14)
永遠に生きている方が、万物をことごとく造られた。(18:1)
10 貧困と富 (10:28-11:28)
契約をしっかり守り、それに心を向け、自分の務めを果たしながら年老いていけ。(11:20)
契約16 創造の業 (16:26-17:24)
主は、彼らと永遠の契約を結び、御自分の裁きを示された。(17:12)
11 真の友 (11:29-12:18)
いと高き方御自身も、罪人を憎み、不信仰な人にあだを返される。(12:6)
悪への罰15 悪人への罰 (16:1-25)
罪人の集まる所に、焼き尽くす火が燃え上がり、反逆の民の間に、神の怒りが燃え盛った。(16:6)
12 金持ちと権力者 (13:1-26)
高慢な人にとって、謙遜が忌まわしいように、金持ちにとって、貧乏人は忌まわしい。(13:20)
高慢14 知恵を悟る (15:1-20)
知恵は、高慢な者から離れており、偽りを言う者の心には決して思い浮かばない。(15:8)

2-2

25 知恵の賛歌 (24:1-34)
  26 良い妻と悪い妻 (25:1-27:3)
    27 秘密の暴露 (27:4-21)
      28 悪を行う者 (27:22-28:7)
        29 陰口 (28:8-26)
          30 隣人の援助 (29:1-28)
            31 子のしつけ (30:1-13)
              32 健康と富 (30:14-31:11)
                33 食卓 (31:12-32:13)
                  34 律法 (32:14-33:6)
                    35 罪人と信仰者 (33:7-33)
                      36 経験と空想 (34:1-12)
                        37 献げ物 (34:13-35:26)
                      38 主のしるし (36:1-17)
                    39 助言者 (36:18-37:12)
                  40 自分自身の究明 (37:13-31)
                41 医者 (38:1-23)
              42 学者 (38:24-39:11)
            43 主の御業 (39:12-35)
          44 生の苦労 (40:1-17)
        45 死を思う (40:18-41:13)
      46 恥 (41:14-42:14)
    47 万物の創造 (42:15-43:33)
  48 先祖 (44:1-50:26)
49 結び (50:27-29)
前半関係性後半
25 知恵の賛歌 (24:1-34)
わたしが苦労してこの仕事をしたのは、自分のためだけではなく、知恵を求めるすべての人のためでもあることを理解してほしい。(24:34)
知恵を記す49 結び (50:27-29)
悟りと知識の教訓をこの書物に書き記したのは、シラ・エレアザルの子、エルサレムに住むイエススである。彼は知恵をその心から注ぎ出した。(50:27)
26 良い妻と悪い妻 (25:1-27:3)
わたしの心は次の三つのものに悩まされるが、四番目のものには顔を向けるのさえ恐ろしい。町の人たちからの中傷、烏合の衆の雑言、誹謗、これらは死より忌まわしい。(26:5)
忌まわしい者48 先祖 (44:1-50:26)
わたしの魂は二つの民を忌み嫌う。三つ目は民とはいえない。(50:25)
27 秘密の暴露 (27:4-21)
樹木の手入れは、実を見れば明らかなように、心の思いは話を聞けば分かる。(27:6)
思いと言葉47 万物の創造 (42:15-43:33)
いかなる思いも、主は見逃さず、一言半句も主は聞き逃されない。(42:20)
28 悪を行う者 (27:22-28:7)
掟を忘れず、隣人に対して怒りを抱くな。いと高き方の契約を忘れず、他人のおちどには寛容であれ。(28:7)
契約46 恥 (41:14-42:14)
いと高き方の律法と契約、不信仰な者への正しい裁きを恥じるな。(42:2)
29 陰口 (28:8-26)
罪深い者は、友情にひびを入れ、和やかに暮らしている人たちに不和をもたらす。(28:9)
罪人45 死を思う (40:18-41:13)
罪人の子らは忌み嫌われる。彼らは不信仰な者の巣窟で育てられる(41:5)
30 隣人の援助 (29:1-28)
施しをお前の倉に蓄えておけ。それはお前をあらゆる災難から救ってくれる。(29:12)
施し44 生の苦労 (40:1-17)
しかし慈しみは、祝福に満ちた楽園のようなもの。施しは永遠に残る。(40:17)
31 子のしつけ (30:1-13)
子をしつける親は、その子のお陰で楽ができ、知人の間で自慢ができる。(30:2)
子のしつけ43 主の御業 (39:12-35)
わたしの語ることを聞け、敬虔な子らよ、流れのほとりに育つばらのように、若枝を出せ。(39:13)
32 健康と富 (30:14-31:11)
その人の財産は揺るぎないものとなり、会衆は彼の施しを数え上げ、たたえるであろう。(31:11)
称賛される者42 学者 (38:24-39:11)
多くの人々は彼の悟りを褒めそやし、彼は永遠に忘れ去られることはない。彼についての記憶は消え去らず、その名は代々に生きる。(39:9)
33 食卓 (31:12-32:13)
時をわきまえ、適度に飲む酒は、心を浮き立たせ、人を陽気にさせる。(31:28)
気分41 医者 (38:1-23)
悲しみに心を奪われてはならない。人生の終わりであったとあきらめ、悲しみを払いのけよ。(38:20)
34 律法 (32:14-33:6)
よく考えずに何事をも行うな。そうすれば、何をしても後で悔やむことがない。(32:19)
熟慮40 自分自身の究明 (37:13-31)
子よ、生きているかぎり、自分自身を究明し、自分に何が有害かを見極め、それを避けよ。(37:27)
35 罪人と信仰者 (33:7-33)
主は、あふれるばかりの知識によって、人々に違いをつくり、それぞれに、異なった道を歩ませられた。(33:11)
人の異なり39 助言者 (36:18-37:12)
女は、どのような男にも、身を任せるが、男は、あの娘よりはこの娘をと、えり好む。(36:26)
36 経験と空想 (34:1-12)
占い、前兆、夢のたぐいは、無意味なもの。陣痛の中で思い描く、女の妄想のようなもの。(34:5)
妄想/しるし38 主のしるし (36:1-17)
しるしを新たにし、不思議な業を繰り返して(36:6)

聖書の引用は「新共同訳聖書」より