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コヘレトの言葉の修辞構造

4分割での集中構造(コンチェントリック)と交差配列(キアスムス)


4-1

(1:1-11)
   (1:12-18)
     (2:1-11)
   (2:12-26)
(3:1-15)
前半関係性後半
(1:1-11)
かつてあったことは、これからもありかつて起こったことは、これからも起こる。 (1:9)
すでにあること (3:1-15)
今あることは既にあったことこれからあることも既にあったこと。 (3:15)
(1:12-18)
知恵も知識も狂気であり愚かであるにすぎない (1:17)
知恵と狂気と愚かさ (2:12-26)
わたしは顧みて知恵を、狂気と愚かさを見極めようとした(2:12)

4-1-1

(1:1-11)
   (1:12-18)
(2:1-11)
前半関係性後半
(1:1-11)
太陽の下、人は労苦するがすべての労苦も何になろう(1:3)
太陽、労苦 (2:1-11)
しかし、わたしは顧みたこの手の業、労苦の結果のひとつひとつを。見よ、どれも空しく風を追うようなことであった。太陽の下に、益となるものは何もない(2:11)

4-1-2

(2:1-11)
   (2:12-26)
(3:1-15)
前半関係性後半
(2:1-11)
しかしなお、この天の下に生きる短い一生の間、何をすれば人の子らは幸福になるのかを見極めるまで、酒で肉体を刺激し、愚行に身を任せてみようと心に定めた(2:3)
幸福な一生 (3:1-15)
人間にとって最も幸福なのは喜び楽しんで一生を送ることだ、と(3:12)

4-2

(3:1-15)
   (3:16-22)
     (4:1-6)
   (4:7-14)
(4:15-5:8)
前半関係性後半
(3:1-15)
天の下の出来事にはすべて定められた時がある(3:1)
(4:15-5:8)
神は天にいまし、あなたは地上にいる(5:2)
(3:16-22)
人間にとって最も幸福なのは、自分の業によって楽しみを得ることだとわたしは悟った(3:22)
喜び (4:7-14)
自分の魂に快いものを欠いてまで誰のために労苦するのか(4:8)

4-2-1

(3:1-15)
   (3:16-22)
(4:1-6)
前半関係性後半
(3:1-15)
わたしは知った人間にとって最も幸福なのは喜び楽しんで一生を送ることだ、と(3:12)
幸福 (4:1-6)
いや、その両者よりも幸福なのは、生まれて来なかった者だ(4:3)

4-2-2

(4:1-6)
   (4:7-14)
(4:15-5:8)
前半関係性後半
(4:1-6)
わたしは改めて、太陽の下に行われる虐げのすべてを見た(4:1)
虐げ (4:15-5:8)
貧しい人が虐げられていることや、不正な裁き、正義の欠如などがこの国にあるのを見ても、驚くな(5:8)

4-3

(4:15-5:8)
  10  (5:9-20)
    11  (6:1-12)
  12  (7:1-29)
13  (8:1-17)
前半関係性後半
(4:15-5:8)
貧しい人が虐げられていることや、不正な裁き、正義の欠如などがこの国にあるのを見ても、驚くな(5:8)
悪を見る13  (8:1-17)
だから、わたしは悪人が葬儀をしてもらうのも、聖なる場所に出入りするのも、また、正しいことをした人が町で忘れ去られているのも見る(8:10)
10  (5:9-20)
神から富や財宝をいただいた人は皆、それを享受し、自らの分をわきまえ、その労苦の結果を楽しむように定められている(5:18)
労苦の結果12  (7:1-29)
順境には楽しめ、逆境にはこう考えよ人が未来について無知であるようにと神はこの両者を併せ造られた、と (7:14)

4-3-1

(4:15-5:8)
  10  (5:9-20)
11  (6:1-12)
前半関係性後半
(4:15-5:8)
愚者の声と知れるのは口数が多いから(5:3)
無駄口11  (6:1-12)
言葉が多ければ空しさも増すものだ(6:11)

4-3-2

11  (6:1-12)
  12  (7:1-29)
13  (8:1-17)
前半関係性後半
11  (6:1-12)
たとえ、千年の長寿を二度繰り返したとしても、幸福でなかったなら、何になろう。(6:6)
幸福13  (8:1-17)
太陽の下、人間にとって飲み食いし、楽しむ以上の幸福はない(8:15)

4-4

13  (8:1-17)
  14  (9:1-12)
    15  (9:13-10:20)
  16  (11:1-12:7)
17  (12:8-14)
前半関係性後半
13  (8:1-17)
神を畏れる人は、畏れるからこそ幸福になり(8:12)
神を畏れる17  (12:8-14)
神を畏れ、その戒めを守れ(12:13)
14  (9:1-12)
さあ、喜んであなたのパンを食べ気持よくあなたの酒を飲むがよい(9:7)
喜び16  (11:1-12:7)
若者よ、お前の若さを喜ぶがよい(11:9)

4-4-1

13  (8:1-17)
  14  (9:1-12)
15  (9:13-10:20)
前半関係性後半
13  (8:1-17)
まことに、太陽の下に起こるすべてのことを悟ることは、人間にはできない。人間がどんなに労苦し追求しても、悟ることはできず、賢者がそれを知ったと言おうとも、彼も悟ってはいない。 (8:17)
人間の知恵の限界15  (9:13-10:20)
未来のことはだれにも分からない。死後どうなるのか、誰が教えてくれよう。(10:14)

4-4-2

15  (9:13-10:20)
  16  (11:1-12:7)
17  (12:8-14)
前半関係性後半
15  (9:13-10:20)
支配者が愚か者の中で叫ぶよりは賢者の静かに説く言葉が聞かれるものだ(9:17)
賢者の言葉17  (12:8-14)
賢者の言葉はすべて、突き棒や釘(12:11)

聖書の引用は「新共同訳聖書」より